私の名前は斎藤勇、年は２５才と３ヶ月ですこぶる脳天気な男である。
生まれは日本で７番目に独立した国「将棋大好き国」である。
私の国は、将棋好きな人が集まったせいか勤勉でまじめな人が多く経済的に裕福な家が他国より大変多いのが特徴なのだ！
日本の国が倒産してから久しいが、我が国は親父の義理人情経営が国民に受けてこの１０年財政黒字で、国民から税金を一円も取っていない自慢の国である。
今の日本国は、私の国を含めて５０の国で成り立っている連邦制の国に様変わりしている。
しかも気に入った国があればそこに移り住む事も自由なのだ！
人気の高い国は、少子化もなんのその人口も増え財政的に裕福で何不自由なく心地よい生活が
出来るのである。
今日は、親父の目を盗んでダチの横山たかしと隣の「美人の国」へ遊びに行く途中である。
何故かダチの横山とはガキの頃から気があい、この年になっても二人でいる事が多かった。
そして何よりも好みの女性の趣味が全く違うので、彼女を奪い合う心配が一切無いのがいい。
ダチの横山は、グラマーで勝気な女性が好みだが、私は小柄で細身のキュートな女性が好きだ。
「美人の国」は、美人コンテストでベスト８人にならないと入れない厳しい基準があるのだが
結構もぐりで整形美人も多数混入しているとの噂が巷では広がっていた・・・
だからここに遊びに来る男性もそれなりに女性を見抜く才が必要なのである。
「勇、あそこの合コン広場に行ってみようぜ！」と横山から声がかかる・・・
「あそこは、この間ハズレを掴んだとこじゃないのか・・」と私
「確かにそうだった、顔面整形の心ブスでえらい目にあったなあ〜」と横山・・
そして私と横山は、合コン広場を後にしてジプリの公園に向っていった。
ジプリの公園は、アニメ風少女が多数いる事で有名であるが、私はあまり好きではない。
ここで私と横山はお互い別れて、ｱﾊﾞﾝﾁｭｰﾙの相手を探す事にした。
「美人の国」は、美人が住んでいるだけではなく、観光地としても人気のあるところである。
今日は、一人で温泉にでもゆっくり浸かってリフレッシュする事にした。
真っ先に目に付いたのは温泉どころ「赤き彼岸花」であったが、ここは美人がいないので有名だ。
しかし一人で落ち着けるので私は気に入っている場所のひとつである。
勝って知ったる他人の家ではないが、もう案内は必要ないほどこの場所は熟知していた。
「いらっしゃい、勇さん！」いつものママの声が館内に響く・・・
「又、来ちゃったママ・・」と毎度お馴染みの返事で返す私・・・
「今日、新人の子が入ったのよ」とママの金歯がよりいっそう輝く・・
「おお、ぜひ紹介してよママ」と私も期待に鼻の穴をピクピクさせる・・
案の定、期待を裏切らず美人とかけ離れた女の子がやってきた。
「かおる子と申します・・・」本当に何か匂いそうな子が目の前にいた。
「僕は、勇の斎藤と申します」英語式の名前から苗字で返す
「貴方、面白い方ね・・」若く見えたが、声は何やらおばさんのように濁っていた
この後、とんでもない事件が起こるのだが・・・今日のところはこの辺で終わりにしておく・・・
